石巻の在宅医療視察

2011年12月01日
祐ホームクリニック石巻では、多くの医療関係者のご支援をいただいています。
在宅医療の仕組みや被災地での在宅医療の状況について、多くの方が視察におみえになります。
本日は、内閣官房 医療イノベーション推進室の方や宮城県保健福祉部医療整備課の方が
現場をご覧になりました。

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石巻市の健康・生活アセスメントにより判明した住民の健康状況やそれを支えるための
仕組みについてもお伝えしました。
国・県・市と地域で連携して、住民の健康を支える取り組みに繋げていきたいです。

祐ホームクリニック

ヒーリングジャパンプロジェクト

2011年12月02日
心のケア(集団セラピー)の専門スキルを保有し、イスラエルから支援に
来てくださっている支援団体:イスラエイドのセリア・ダンケルマンさんと
ヨタム・ポリッツェーさんと支援ボランティア山田さんとお会いしました。

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イスラエル国際人道援助フォーラム(IsraAID)は、イスラエルならびにユダヤ系の、
計12の援助団体の共同活動を代表する、イスラエルの国際的な連合体です。
過去10年間、イスラエイドのメンバーは40以上の発展途上国において、人道的支援に
取り組んでこられました。
イスラエルでは戦争による子どものPTSD(外傷後ストレス障害)をケアする
ノウハウが特にあり、今回、東日本大震災の津波被害による心のケアを2年間にわたって
支援すると仙台入りをしてくださっている団体です。
震災後イスラエイドは、すぐに日本に専門職を派遣し、宮城、福島県内の5つの都市の
1000人以上のメンタル・ヘルス・ワーカー、教師、ソーシャルワーカーに対し、心的外傷に
関するノウハウを研修を通して提供しました。イスラエイドの長期的目標は、今後2年間で
宮城、福島、岩手県の何十万人もの被災者に心的外傷に対応するノウハウを提供することが
できるようなモデルを構築することです。

PTSDの症状には、以下のようなものがあると言われています。
強い恐怖、無力感
その出来事を繰り返し思い起こしてしまう
その出来事の夢を繰り返し見る
その出来事を再び体験するかのような感覚。幻覚
原因となった出来事に類似した出来事に対する激しいストレス
原因となった出来事に似た出来事に対する身体的な反応
その出来事についての思考・感情・会話の回避
出来事の内、思い出せない部分がある
無関心、他社との断絶
通常の生活に対する興味の喪失
将来の計画を立てられなくなる
睡眠障害
イライラ
集中力の欠如
過覚醒

多くの場合が、どう対処していいかわからず、我慢しているケースが見られます。
石巻医療圏の健康・生活アセスメント調査の結果(n=在宅避難世帯1500世帯)でも、
不眠・憂鬱・やる気がおきない・人生が嫌になる・・・といった精神症状を訴える方が、
半数を占めます。

この分野については、石巻市の保健師と連携していますが、住民の集団セラピーや支える
スタッフ(保健師、教師、ソーシャルワーカー、看護師等)の心のケアやノウハウを
イスラエイドには期待をしています。

イスラエイドの活動では、アートセラピー、音楽セラピー、体を動かすセラピーなどがあります。
対象は、子どもから高齢者までです。
被災者だけでなく、被災者を支えるスタッフに継続的に実施できるノウハウなども伝授します。

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写真は、体を動かすセラピーです。

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アートセラピーでは、本人も気づいていなかった潜在的な感情が明らかになります。

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専門の医師やスタッフによるセラピーは、驚くほど短時間に深層に達し、
素直な気持ちを表現する人が出て驚きです。

今後、石巻市や女川町の保健師さん、地元のNPOと相談して、集団セラピーの実施や
住民集会での実施を企画していこうと思います。
海外からも日本を支援していただけるご支援の輪に感謝いたします。

祐ホームクリニック

健康・生活アセスメント 要フォロー会議

2011年12月03日
毎週実施している要フォロー会議も第三回目となりました。
調査世帯数も1000世帯を超えました。今週のフォロー世帯は50世帯を数え、
社会福祉士(ソーシャルワーカー)、看護師、保健師等の専門職が連携して
コンタクトをとっています。

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医療面での助言をする祐ホームクリニック石巻  武藤院長。

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生活面が起因で健康が懸念の世帯には、ソーシャルワーカーさんがフォローに入ります。

日本医療社会福祉協会の社会福祉士。全国から支援で駆けつけてくださっています。

介護のケアや心のケアは、市役所の保健師さんがフォローします。
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石巻市 健康推進課の伊藤さん(保健師)

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健康調査班のリーダー菅原さん。アメリカから長期で日本に支援に来た在米日本人看護師です。
菅原さんの熱意で健康・生活アセスメント調査も進んでいます。


現地視察会

2011年12月04日
石巻の健康・生活の様子を県外の方にも知っていただき、当地でのご支援を
検討いただくために、定期的に現地視察会を開催しております。

今回は、IHLの医療・ヘルスケア関連の有志やイオン本社の方が参加をされました。

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石巻市内の様子、在宅避難世帯の様子、がれき処理の状況、被災者の生活、
産業復興の状況、地域医療の状況など、現地を回りながらご案内致します。

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町全体が大きな被害を受けた女川町もご案内しています。
町の主要施設や住宅が壊滅的ダメージを受けた女川町の様子をご覧になっていただくことで、
“医療・健康面だけでなく、生活全体を支えないと”ということの背景がわかります。

聞くと体験するでは大違いで、現場に足を運んだ多くの方は、自分たちの
得意分野でご支援を検討してくださいます。
このようなスタイルも支援誘致の活動に繋がります。

祐ホームクリニック





健康・生活支援アセスメント 情報管理

2011年12月05日
健康・生活アセスメントの帳票は、情報班によりデータ化され、厳重な品質チェックと
セキュリティ環境下で管理されています。

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現地雇用をして、情報登録をしています。

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データ管理については、富士通の災害支援特別チームの皆さんに
支援していただいております。

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調査員の皆さんが寒い中集めていただいた大切な情報です。
データの品質プロセスやチェックプロセスを定め、データ精度を高められるように
努めています。

祐ホームクリニック

健康・生活支援アセスメント 女川町

2011年12月07日
石巻医療圏 健康・生活アセスメントの調査は、女川町でも展開しています。
女川町では、住民が安心して暮らせるよう健康状態を確認するため、
「女川町こころとからだとくらしの相談センター」を設置し、仮設住宅を中心に
「こころとからだの専門員」が家庭訪問により健康調査を実施しています。
今回、在宅避難世帯は、医療福祉団体の各専門職種(我々のこと)の協力を得ながら、
家庭訪問により健康調査を実施することになりました。
漁師の町の女川町では、毎年行われていたお正月の行事やイベントの時期を
迎えることを恐れています。
例年とは違う現実を実感することで、より喪失感や孤独感を感じてしまう
ことを懸念しています。

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女川町の健康福祉課と健康調査について打合せをしています。

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女川町の健康福祉課 阿部課長、佐藤参事、三浦ひとみ保健師

女川町は住宅の大半(86%)が全半壊で流出してしまいました。
山奥のここまで津波がくるとは!というところまで津波の傷跡があります。

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女川町も石巻市と同じように応急修理待ちの住宅が存在します。

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仮設住宅では、急ピッチで防寒工事が進んでいます。

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ビルを取り壊している様子

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女川町にも大量のガレキの山が残っています。

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山の斜面ぎっしりと延々と続くガレキの山。まるでガレキの谷です。

女川町には約400万トンのガレキがあると言われています。
東京都では、2013年までに10万トンの女川町ガレキを受け入れる
準備をしています。東京23区と多摩地区の自治体が半分づつ処理する予定です。
都内では、被災地のガレキを受け入れられるように、都内のゴミの減量を呼び
掛けています。こういう活動も復興への取り組みに繋がりますね。

街の復興のためには、ガレキの処理を進め、陥没した土地を盛る必要があります。
時間はかかりますが、作業は進んでいます。

祐ホームクリニック

鉄道の再開に向けて

2011年12月08日
石巻-渡波間の鉄道復旧が急ピッチで進んでいます。

今回、津波被害を受けた太平洋沿岸の路線は、7路線320キロで
運転見合わせをしています。
大半が、行政側の街づくり計画がまとまっておらず、再開のめどが立っていません。

鉄道が不通になったため、通勤ができず職を失った人にも大勢会いました。
鉄道の再開は、復興の光明です。

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JR石巻線(石巻-女川)の復旧の様子です。

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現在、津波を被った線路は敷石を交換して補強をしています。

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鉄道の復旧に向けて、東北中から工事の職人さんが集まっています。

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枕木を持ち上げる機械です。

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敷石を積んでいます。

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鉄道の上を走るトラックで敷石を運びます。

仙台と石巻を結ぶ仙石線は、あおば通-高城町と矢本-石巻間は
通常ダイヤで運行しています。
しかし、高城町-陸前小野間は再開未定です。
陸前小野から矢本までは2012年3月に再開の予定です。

東北最大の都市である仙台市まで電車で移動できずに生活基盤を
失った方も多くみえます。
1日も早い復旧が待ち望まれます。

祐ホームクリニック

健康・生活アセスメント 調査員

2011年12月09日
健康・生活アセスメントの調査や情報伝達は、全国から専門職や
ボランティアが集まっていただいています。
寒さが増し、屋外での活動は、手がかじかむ程の寒さです。
黙々と住民の健康・生活調査や情報伝達に取り組む熱い女性達がいます。

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情報伝達班の吉川明紀さん(山形県)と藤峯あずささん(北海道)。
住民に、法律相談、買い物サービス、住宅相談、車両相談の情報を伝達しています。
住民から「こんなサービス知らなかった!助かるわ」と喜んでいただけるのが
嬉しいと言っていたのが印象的でした。
彼女たちは、4月から被災地に来て住民の困窮を見てしまったので、
最後まで見届けたいと活動を続けています。

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調査への出発前に訪問したら食事時でした。
100円で購入したシシャモをみんなで分けて食べていました。

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調査班のリーダー 菅原洋子さん(看護師)は、本日まわる調査先の
地域の確認や伝達する情報をメンバーに伝えます。

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小泉香織さん(静岡・看護師)

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田村来実さん(神奈川・介護士)

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調査に必要な資料や資材を積み込み、出発です。

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彼女たちが1件1件調査してきた住民の健康・生活情報は、
1件も無駄にすることなくきっちりフォローに繋げていかなければ
いけないと、改めて強く感じました。

祐ホームクリニック

タイ洪水支援物資の輸送

2011年12月10日
タイ洪水支援(11月6日) http://youhc.blog.fc2.com/blog-entry-106.html
で石巻市と女川町の住民の皆様から支援頂いた物資が、
いよいよタイ王国へ向けて発送されます。

支援物資は、駐在タイ王国大使館経由でタイ王国外務省で受け取って頂く
事になりました。

タイへ支援物資を送るには、日本国内の輸送、通関、日本からタイへの輸送、
タイ到着後の輸送に目途をつける必要があります。

日本からタイへの輸送は、日本航空さん(http://www.jal.co.jp/)に、
無償で輸送していただいています。
1トンまでの支援物資を貨物室の空スペースを活用して、輸送頂けるご支援です。
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石巻市市長より、駐在タイ王国大使館さんと日本航空さんへ、依頼状を出していただきました。
石巻の物資を成田空港まで、西濃運輸さん(http://www.seino.co.jp/)に運んでいます。
JITBOXという大型冷蔵庫サイズの檻カゴ3ケースに詰めて輸送しました。
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支援物資を石巻から搬出します。
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成田での関税通関は日本航空さんにご紹介いただいた、
ジュピタージャパンさん(http://jupiter-japan.jp/)が通関をします。
通関には様々な規制や法令が関わっており、難しい部分でしたがプロのノウハウを
発揮していただき、無事通関する事ができました。

現在は、成田空港の日本航空さんの倉庫で、航空機への搭載を待っています。
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駐日タイ王国大使館さん、
宮城西濃運輸の佐藤さん、
石巻市市民協働推進課の安部さん、亀山さん、
日本航空の中岡さん、斉藤さん、
ジュピタージャパンの戸村さん
ありがとうございました。

タイ王国への支援を託していただいた石巻市・女川町の皆様。
支援の気持ちをお届けします。

社会福祉士(ソーシャルワーカー)との連携

2011年12月10日
健康・生活アセスメントを通して、在宅避難世帯の住民の置かれている生活状況や
健康状況がわかります。医療・介護面だけでなく、生活全般の自立支援という側面の
ニーズが大変多いことがわかります。
それを支える専門職種の一つが社会福祉士(国家資格)です。

社会福祉士は、社会福祉の立場から患者さんやご家族が抱える経済的・心理的
・社会的問題の解決や調整を援助し、社会復帰の促進と自立生活の継続をお手伝いします。
今回、石巻医療圏の在宅避難世帯では、医師・保健師・看護師だけでなく、
社会福祉士の専門スキルが大量に必要ということがわかってきました。

そこで、日本医療社会福祉協会(http://www.jaswhs.or.jp/)と連携して、
全国から社会福祉士を集めていただき、石巻で支援活動をさせていただくこととなりました。

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公益社団法人 日本医療社会福祉協会 業務執行理事 笹岡眞弓さん(左)と
東日本大震災対策本部 石巻災害対策担当 佐藤杏さん(中央)

専門職種による支援の輪が繋がることは、大変心強いです。

祐ホームクリニック

まごころクルマ市

2011年12月11日
渡波地区で、中古車両を特別価格でお届けするという活動をリクルート カーセンサーさんと
地元業者が開催されていました。
車検・カーナビ・ETC・タイヤ付きで、復興支援特別価格での支援を被災者向けに
実施されていました。
渡波地区の住民の方で、2台目の車両が不足しているとかまだ車両が無いため移動が
できないという方が来場されていました。

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企業の本業を活かして、民間サービスで被災地の支援をする好例だと感じました。

祐ホームクリニック

女川町住民集会

2011年12月13日
女川町の在宅避難世帯の健康・生活アセスメントについて、女川町の保健センター/
地域包括支援センター(保健福祉課)と連携して進めています。
女川町では、住民の方が安心して暮らせるよう、健康状態を確認するため、
「女川町こころとからだとくらしの相談センター」の「こころとからだの専門員」が
主に仮設住宅を中心に家庭訪問型調査を実施しています。
今回、在宅避難世帯については、医療福祉団体の各専門職種の協力を得ながら、
家庭訪問により健康調査を実施するということで、連携をしております。

町の7割の世帯が流出した女川町では、家がかろうじて残った在宅避難世帯の方は、
「家が残っただけでも我慢せねば」と必要以上に気にして孤立を深めています。
過去に、避難所に物資を取りに行った際に「家が残っているのに物資を取りにくるなんて!」
という言葉を掛けられてしまい、それ以来「支援を受けてはいけない。もっと大変な人がいる・・・」と
気に病んでいる方も多くみえました。
実は、在宅避難世帯の方は、情報面でも健康面でも孤立している傾向があり、大変な状況になっています。

今回は、そんな在宅避難世帯の方を対象に、住民集会による情報提供と炊き出しの支援を
女川町の保健師さんと連携して行いました。

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女川町の保健師さんから、在宅避難世帯の方へ健康のお話をしていただきました。

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手を使った健康確認のお話も保健師ならではです。

女川町の在宅避難世帯の方は、情報が十分に届いていない傾向がございます。
医療費免除、生活支援金/行政による貸付制度、法律相談などの情報を提供しました。

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皆さん「知らなかった~」と熱心に聞かれていました。

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応急修理支援の相談会も行いました。
在宅避難世帯は、家の応急修理について逼迫しており、相談が何件かございました。

最近では、雪もちらほら降るようになり、寒さが身に染みます。
暖かい塩チャンコの炊き出しで住民の方と交流を図りました。

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コミュニティの再生に向け、住民集会などで今後も交流をはかっていきます。

祐ホームクリニック

要フォロー会議

2011年12月15日
健康・生活アセスメントの医療・健康面の第5回 要フォロー会議を開催しました。
今回は、女川町の保健師さんと石巻薬剤師会の薬剤師も参加いただき、
住民のケアのご支援をいただきました。

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専門職種による要フォロー検討会。どのようにフォローしていくかを
各専門職で役割分担をしていきます。

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女川町の地域包括支援センターの三浦ひとみ保健師(左)

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石巻薬剤師会の丹野先生(左)
日本医療社会福祉協会の社会福祉士 武山さん(右)

在宅避難世帯の中には、4人で1セットの布団しか無い世帯や暖房器具が
無い世帯などもあり、緊急物資支援が必要な世帯も存在します。
必要に応じて、地元NPOの物資支援ボランティアに情報を伝え、
支援を要請することもございます。

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住民とのネットワークを持つボランティア 大津さん(右)

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社会福祉士による生活自立支援のニーズは相当数顕在化しています。
社会福祉士の支援は非常に心強いです。

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石巻医療圏の健康・生活面の復興に少しでもお役にたてるように、
石巻医療圏 健康・生活復興協議会は取り組んでいます。

祐ホームクリニック

宮城県へのご報告

2011年12月21日
宮城県石巻医療圏での在宅医療の取り組みに対して県からご支援いただいたことに対するお礼とご報告を
宮城県庁で行いました。
宮城県庁からは、震災復興・企画部 震災復興政策課、保険福祉部、社会福祉課、長寿社会政策課、
医療整備課、疾病・感染症対策室、保険福祉総務課、東部保健福祉事務所、障害福祉課 など
多くの関係者様にご出席いただきました。
石巻での在宅医療活動と健康・生活アセスメントの状況についてご報告致しました。

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少ない医療資源の中で、地域の医療・介護・行政・NPOの皆様と連携して、
いかに住民の方と医療を繋げるか・ついてご報告を申し上げたところ、
同じ課題認識をお持ちで暖かいエールをいただきました。
特に、行政の支援が不足している在宅避難世帯や民間賃貸借り上げ仮設への支援については、
状況や課題を共有させていただきました。
今後も行政や地域の医療・介護機関、地域のNPO・ボランティアと連携し、
地域住民の健康や生活の支援に取り組んでいこうと改めて感じました。

寒さ本格化してきました

2011年12月22日
石巻地方では、21日の夜から雪が降り、積もりました。
最高気温が3度となるなど、寒さが本格化して参りました。
応急仮設住宅では、防寒対策の工事の真っ最中ですが、プレハブでの寒さは身に染みます。
在宅避難世帯では、隙間から寒気が入ってくるので、特に防寒対策は喫緊の課題です。

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雪で囲まれた仮設住宅の様子

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今回は、日中には雪も解けましたが、1月、2月の寒さはもっと本格化します。

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活動している車の近辺も雪でした。

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健康・生活アセスメントの活動を支援してくださる石巻市の渡波地区の住民の方。
「ボランティアさんの活動には支えられた。私たちもお礼に何かお役に立ちたい。」と
専門職調査員のために暖かい食事の調理をご支援いただいております。ありがとうございます。
寒さ本格化してきた中、地元の味付けと心づかいが温まります。

応急修理支援の取り組み

2011年12月22日
石巻市では、全住宅戸数約64000戸のうち、
全壊22,357戸、大規模半壊9,446戸、半壊1,575戸、
一部損壊20,364戸の計53,742戸(84%)が住宅被害を受けました。

在宅避難世帯では、サッシ1枚、扉1枚、壁の内装、風呂、洗面台、台所まわり、給湯器・・・等
のちょっとした応急修理から恒久修理でお困りの方が多くみえます。

石巻市内にある素材部品の会社の方に、部材の在庫状況や被災者向けの復興支援パックなどの
取り組みについてお伺いしました。

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やはり、部材はあっても施工をする職人さんが不足しているということで、
メーカーとしても被災者の困窮を何とかご支援したいと思っているが、届けることに苦慮しているとのこと。
支援の輪の連携が必要だと感じています。(住環境支援班)

健康・生活アセスメント 第6回 要フォロー会議

2011年12月22日
東日本大震災の後に体調が悪化するなどして亡くなる「震災関連死」と認定された人が、
被災県で計9610人となり、阪神大震災を上回りました。
宮城県では、申請746件に対し、認定434件、審査中(待ち)が265件であり、
さらに震災関連死は増加するのは確実です。
震災関連死の75%が70歳以上を占めており、高齢者のADL低下と孤立・孤独が深刻なことがわかります。
震災関連死の判定は、死亡診断書をもとにしているケースが多いのですが、
震災直後はかかりつけ医ではなく、震災後応援にかけつけた県外応援医師が、
1週間以内の死亡でも「老衰」としたケースが多く(当時は、主治医であれば震災前後を比較できたが、
被災者が近くの病院に飛び込むことが多く混乱していた)みられたそうです。
関連死認定された場合は、災害弔慰金が最大500万円支払われるため、遺族には不満が残る状態のようです。

在宅避難世帯を支援する健康・生活アセスメントの医療・健康部会の第6回要フォロー会議を開催しました。
今回は、医師・保健師・看護師・社会福祉士に加え、女川町保健センター保健師、
女川町地域包括支援センター保健師、渡波地域包括支援センター 社会福祉士、地元を支えるNPO め組JAPAN、
山形県から支援に来ていただいている傾聴ボランティア 緑水の森再生委員会のカウンセラーの方々にも
ご参加いただきました。

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今週は、石巻渡波地区と女川町のフォローについて関係者が議論を行いました。
医師・保健師・看護師・社会福祉士・ボランティアによるフォローに繋げています。

保健師の観点では、在宅避難世帯の中では、年末・年始のイベントや家族やご近所との
集まりが無くなってしまうことで喪失感から自殺や孤独死に繋がることを懸念しています。
健康・生活調査を行い、保健師や社会福祉士を中心に在宅避難世帯のケアをすることを急いでいます。

ケアの一つの取り組みとして、クリスマス期間は在宅避難世帯のうち、高齢独居世帯を中心に、
看護師・カウンセラー・セラピストなどが、地元住民の方が調理してくださったお料理と
クリスマスプレゼント(タオル、マフラー、ゆずなど)を持って1軒あたり3時間くらいお話をお伺いする
という企画を行います。アセスメント調査と並行して、その準備にも取り組んでいます。

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セラピストからハンドマッサージの方法のレクチャーを受ける支援スタッフ

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ご支援をいただいた「負けないぞう」やマフラー・ゆず

調剤薬局の現状

2011年12月23日
石巻薬剤師会の丹野先生に調剤薬局の状況を伺いました。
保険薬局で構成する石巻薬剤師会(石巻市、東松島市、女川町)の薬局は、
本震災により全壊27薬局、半壊31薬局でした。全壊の薬局のうち、
12月下旬時点で再開したのは15薬局です。
全壊・半壊で、再開できていない薬局は21薬局にのぼります。
地域から多くの調剤薬局が機能停止し、地域住民への処方・服薬の機会が危機の状況です。

写真は、石巻薬剤師会 丹野先生やボランティア薬剤師チーム提供の震災前後の石巻医薬品センター薬局です。
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女川町の薬局も4ケ所全て全壊となりました。

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震災直後から地域の薬局再開に奔走される石巻薬剤師会 丹野先生

地域から減少した保険薬局と全壊から再開した薬局数は以下です。(12月時点)
大街道地区 1薬局減、3再開
中央・立町地区 3薬局減、2再開
湊地区 3薬局減、1再開
住吉・中里地区 2再開
矢本地区 1薬局減、5再開
鳴瀬地区 3薬局減、1再開
女川地区 4薬局減、1再開

地域から4つの調剤薬局全てが全壊となり、緊急で再開した女川地区の女川薬局を訪ねてきました。
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宮城県薬剤師会 会営女川薬局 蛯名先生

11月1日に再開した薬局には、多くの患者さんが訪れ、多い日では1日120名もみえるそうです。
今は、訪問はできていないが、女川町の場合住民が移動で困っているので今後考えていけたらとのことでした。
高齢者にとって、状態を安定化させるために服薬は非常に重要です。
患者の方にお薬を届けるために、薬剤師の奮闘のお話をお伺いしました。
地域のために活動をする姿勢は、社会的使命を感じ、感銘を受けました。

おちゃっこクラブ

2011年12月23日
女川町の町立病院の前に12月6日からおちゃっこクラブがオープンしました。
地元のコミュニティ再生の場となるような喫茶店です。

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女川町にお越しの際には、ぜひ寄ってください。
地元の人も集まり、女川町の情報を収集することもできます。

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看板娘のあさひちゃんです。震災後に生まれた新しい命です。

女川町の町の復興に向けて

2011年12月26日
女川町は住宅地・市街面積の48%が浸水し、浸水範囲内人口約80%の被害でした。
全住宅戸数4424戸のうち、全壊2923戸、大規模半壊145戸、半壊193戸、
一部損壊664戸が被害を受けています。
つまり、89%の家屋が一部損壊以上となります。
家に被害を受けた住民は、①仮設住宅(29団地・1294戸)への避難、
②民間借り上げ(437戸)、③在宅避難世帯、④町外への避難と分散しています。

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女川町の中心部 町立病院付近は、17.5メートルの津波浸水高となりました。
堀切山は、34.6メートルの津波遡上項(押し寄せた津波が海抜何メートルまで来たかの高さ)です。

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地盤が1メートル近く沈下しているため、町の中心部は広範囲で冠水しています。
満潮時には、盛り土してある道路により、かろうじて通行ができています。

女川町は、代表的なリアス式海岸であり、小さな入り江毎に集落が存在していました。
指ゲ浜、御前浜(津波浸水高:12.7メートル)、竹浦、尾浦、石浜、高白浜、大石原浜
(津波浸水高:19.1メートル)、野々浜、飯子浜、塚浜といった集落及び港は、壊滅的な被害でした。

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港には残った船が係留されていますが、波止場は冠水しています。

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各集落ごとに山合いのわずかな土地に小規模な仮設住宅が建設されており、
住民はそこに避難しています。

女川原発付近は、津波浸水高12.5メートルであり、あと3メートル高ければ、
福島原発と同じように発電施設が浸水していたと言われています。

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原発建設当時、設計段階では今より低い位置での設計でしたが、万が一に備えてある技術者が
東北電力に進言をして今の高さになったとのこと。
1メートル高くするのに建設費用が億の単位でかかってしまうため議論が交わされたのですが、
「安全のためにはどうしても譲れない」という有識者の意見が通り、今の高さに建設されました。

今回の津波では、その進言が功を奏して、停止状態に持って行けました。
女川原発は、地域の雇用にも繋がっており、地元からは再開の是非が注目されています。

大石原浜(津波浸水高:19.1メートル)、野々浜の辺りは、かなり高所まで津波被害を受けています。

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高台にある家も全壊。

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小学校も全壊です。

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道路も流され、地盤は沈下し、まるで海の中に堤防があるような道路。

住民の生活環境も大変ですが、町の再建には、相当な土木工事が必要となります。
がれきも200万トンの処理を抱えており、まだまだ5年以上はかかると言われています。

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Author:祐ホームクリニック石巻

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